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ARROWS Z ISW13F を購入してau回線を3G化した話

FUJITSU ARROWS Z ISW13F

私はガジェット弄りが好きですが、最新機種を追いかけるというよりは古い機種を中古で安く買ってオモチャにするのが好きです。古い機種は二束三文で売ってたりしますからあまりお金もかかりませんし。

 

そんなわけで先日、表題のFUJITSUのau・3Gスマホ「ISW13F」を買いました。たしかゲオさんで3002円だったと思います。ほんの少し塗装剥げがある(黒地に黒塗装なので目立たない)ものの、値段の割にはなかなかの美品だと思います。

 

前オーナーさんが丁寧に使ってた事がうかがえます。

 

そんなISW13Fですが、価格.comなどを見ますと酷評の嵐が吹き荒れております。

 

価格.com - 富士通モバイルコミュニケーションズ ARROWS Z ISW13F au [クールブラック] レビュー評価・評判

富士通モバイルコミュニケーションズ ARROWS Z ISW13F au [クールブラック]を、価格.comに集まるこだわり派ユーザーが、デザイン・携帯性・ボタン操作など気になる項目別に徹底評価!実際のユーザーが書き込む生の声は何にも代えがたい情報源です。

 

このように良い出来でない機種なのは知っていたのですが以前、Xperia PLAYという迷機種?をroot取っていろいろ弄ってなんとか使えるようにするのが楽しかった経験(→記事はコチラ)もあって「このじゃじゃ馬を乗りこなしてみたい」という願望が湧いてきてしまい、気付いたら購入してしまっていました。

 

世間で言われるほど悪くない

 

さて、実際にこの機種を弄ってみますと拍子抜けするほど、思っていたよりまともな機種でした。

 

とくにカスタマイズしたわけでもなく、ごく一部を除くau系や富士通系のプリインアプリをバッサリとアンインストール&無効化、スライドインランチャーをOFF、「持ってる間ON」や「歩数計」などのセンサー系を軒並みOFFにしただけですがそれなりにヌルヌルのサクサクです。これをモッサリとレビューしてる方はどんな使い方をしておられたのか気になるところです。

 

その後、なるべく常駐しない、通信しない、ネイティブアプリを中心に20個くらいアプリを追加しましたが、その中でバックグラウンド動作してるものはごく一部ですのでサクサク具合はほとんど変わりませんでした。

 

ウェブアプリやSNS系のアプリは常駐しますしバックグラウンド通信しますので一切入れてません。このあたりはブラウザから利用する事にしてショートカットをホーム画面に作っておけばある程度はアプリ感覚で使えますから。まぁこういう運用ですと当然の事ながら通知は一切来ませんが、メイン機じゃないので問題ありません。

 

こういうクセのある機種には、めったに使わないアプリは入れっぱなしにせず、必要に迫られたときに都度インストール、使い終わったらまたアンインストールという運用をしたほうが、結果的に普段の使用においてストレスが少なくて済みます。一度インストールしたときにapk化しておけば再インストールの際に通信も使いません。

 

やはり発熱と電池消費はレビュー通り?

 

購入直後という事もあってずっと弄っておりましたところかなり熱くなりました。使っているとバッテリーもグングン減っていきます。また、旧LISMOがまだ使えるのは嬉しいですが音楽を再生するとやはりプチプチノイズが入ります。

 

このあたりは既出のレビュー通りといったところでしょうか。

 

しかしバッテリーについてだけは少し話が違いまして、レビューでは「何もしてない待機状態でもガンガン減る」と言っておられた方もいらっしゃいましたが、私のは待ち受け状態でしたら全然減りません。OS標準の「電池」のところのグラフを見ましてもほぼ真っ平らです。

 

これは私がモバイルデータ通信をOFFにしているからなのか、個体差が大きいのか、酷評してる方の使い方が悪い(常駐アプリ入れすぎ)のか、どうなんでしょう?

 

とかくキャリアショップへ機種の不調を訴えますと「お客様が後から入れたアプリが原因です」と一蹴されるのもあながち間違いじゃないのかもしれません。

 

ISW13F バッテリー消費グラフ
使用しなければこんな感じです。

au回線の3G化

 

実はこの機種を中古で購入した理由はもう一つありました。私はかねてからauのLTE契約を3Gガラケー用のプランEシンプルにIS NETを付けたもの(月額743円+300円(税抜))に変えてコストを抑えるいうことを検討しておりまして、その3G化に使えそうな機種だったという事がそのもう一つの理由です。

 

 

最近また総務省がなにやら言ってますが私は個人的に「どうせまた大手携帯キャリアが新たな悪知恵を働かせて通信料は下がらずに機種代金を高騰させただけで終わるんじゃないの?」と思っていますし。

 

最近のスマホは総じて電池交換ができない機種ばかりですが、電池交換の料金を高くして機種の買い替えを促進するといったあたりが抜け穴になりそうな気がします。総務省の思惑通り実質的な消費者の家計負担が軽くなるという結果に落ち着くとは思えません。

 

9月のスーパーデジラの発表なんかを見ましても、もう大手キャリアはあまり使わない方に適正価格でサービスを提供する気はさらさら無く、客単価を吊り上げる方向にしか興味が無い事が分かって愛想が尽きましたので。

 

「コスト抑えたいならMVNO使えよ」とおっしゃる方がほとんどだと思いますが、詳しくは書きませんけども私にもキャリアメールを捨てられない事情がありまして、MVNOを使うにしても一つは大手携帯キャリアの回線を残しておきたかったのです。

 

先程「3Gガラケー用」と書きましたが、同契約は3Gスマホにも適用できます。

とはいえ3Gのモバイルデータ通信を使いますとLTEとあまり変わらない金額になってしまいますから、月額1100円強で利用する為には設定から「モバイルデータ通信」をOFFにしてWi-Fi運用し、外に持ち出す場合は通話専用のガラケー代わりとして使います。

 

かつて「全部入りハイスペックスマートフォン」と謳われていた機種を通話専用でガラケー代わりにするのは少し悲しい気もしますが…。

 

いまのところパケット漏れした様子は全くありませんがプランEシンプルには一応ダブル定額スーパーライトと同等のパケット定額が付属していますから青天井という事にはなりませんのでまあ安心です。

 

3Gスマホの機種選定について

 

私と同じようにキャリアメールとauID維持費の圧縮という目的でau回線の3G化を行うに為に持ち込み機種変更する際に3Gスマホを使う場合、以下に列記するいくつかの条件を気にして機種選定されますと幸せになれるかもしれません。

 

① L2ロックフリー機種であること

 

auさんのガラケーおよび初期の3Gスマホは、SIMカード内の電話番号を読み取って端末内の不揮発性メモリーに書き込む事によってその機種とSIMを紐付けてしまい、他のSIMに差し替えても使えなくなるロックが掛かっています。これをL2ロックといいますが後期の3Gスマホにはこのロックが掛かっていないものがありますので、2つ以上寝かせ回線の3G化を行う場合にはL2ロックフリー機種が一台あれば使いまわせます。L2ロックフリーの3Gスマホは以下の通りです。

SIRIUS α IS06
MIRACH IS11PT
Xperia acro IS11S
Windows Phone IS12T
GALAXY S II WiMAX ISW11SC
Optimus X IS11LG
Xperia acro HD IS12S
HTC J ISW13HT
AQUOS PHONE CL IS17SH
MOTOROLA RAZR IS12M
URBANO PROGRESSO KYY04
ARROWS Z ISW13F
AQUOS PHONE SL IS15SH
AQUOS PHONE SERIE ISW16SH
iPhone 4S


 

② Androidならバージョン4.0以降のOSであること

 

維持費の圧縮が目的ですので基本的にモバイルデータ通信はOFFにしてパケットは使わないわけですが、Android2.3ですとOSレベルでモバイルデータ通信を遮断する仕組みになっておらず、お行儀の悪いアプリが設定を無視して通信する事が可能らしいので、パケット漏れしやすいそうです。

 

③ EzwebメールをWi-Fiのみで使用可能なこと

 

一部の機種ではモバイルデータ通信でしかEzwebメールが使えませんのでWi-Fi運用に向きません。これを除外します。

http://www.au.kddi.com/mobile/service/smartphone/communication/email/enabled-device/

上のurlに記載されている機種でしたらWi-FiのみでEzwebメールが送受信できます。

ちなみにWi-Fiがないところでは本文の受信はできませんがメールがあった事だけはSMSでプッシュ通知が来ますので確認できます。

※ メールアプリの初期設定時のみ認証の為に微量のパケット通信が必要です。

 

④ パケットSMS方式でないこと

 

本来、SMSというのはパケットではなく電話回線を使用したものなのですが、auの古い機種ではSMSにパケット通信を使っていましたのでこれを除外します。

http://www.au.kddi.com/mobile/service/mail/sms/

こちらは上のurlに「記載されていないもの」が3G化に向いている機種となります。

 

上記①の機種の中で②③④の条件も兼ね備えるのは以下の通りになります。

GALAXY S II WiMAX ISW11SC
Xperia acro HD IS12S
HTC J ISW13HT
AQUOS PHONE CL IS17SH
MOTOROLA RAZR IS12M
URBANO PROGRESSO KYY04
ARROWS Z ISW13F
AQUOS PHONE SL IS15SH
AQUOS PHONE SERIE ISW16SH


※ OSがAndroidではないWindows Phone IS12TとiPhone 4Sのパケット漏れ事情についてはよく知りませんのでとりあえず除外。

 

⑤ microサイズのsimであること

 

これは私の個人的な好みですので読み飛ばして下さって結構です。店頭で3Gのsimに切り替える際、microサイズのsimにしてもらった方がsimアダプタをかませば(壊れる可能性もありますので自己責任になりますが)他のL2ロックフリー機種にも挿し替えて遊べます。しかしながら標準simの機種を持ち込んでもauショップではmicroサイズのsimカードを発行してくれません。

 

さらにこの条件を加味しますと残るのは

MOTOROLA RAZR IS12M
URBANO PROGRESSO KYY04
ARROWS Z ISW13F
AQUOS PHONE SL IS15SH
AQUOS PHONE SERIE ISW16SH


この5機種になります。

 

今回、たまたま店頭で程度の良いISW13Fが格安で売っていたのでゲットしたというわけです。

 

+WiMAXの罠にご注意

 

上記スマホの中で型番にISWと付いているシリーズは+WiMAX対応機種なのですが、これらは初期化後デフォルトで+WiMAXがONになっているという鬼畜詐欺仕様です。

 

一瞬でも+WiMAXで通信してしまいますと、500円課金されてしまいます。

 

私のISW13Fも初期化後、simなしの状態では+WiMAXのスイッチはOFFになったままグレーアウトして押せない状態だったにもかかわらず、simを挿して電源を入れたら勝手にONになりました。

 

私の場合は、sim挿入前にバックグラウンド通信やアカウントの同期、ネットワークからの日付と時刻の自動設定に至るまで全てOFFにしておいた上でsim挿入後電源投入、+WiMAXが勝手にONになっているのを確認してすぐにOFFにしたところ、課金は免れたっぽいです。

 

Wi-Fi運用の際はインストールするアプリにご注意を

 

もう一つ、今回のように3Gスマホをパケット通信なしでWi-Fi運用する際の注意点として、アプリをインストールするとき、そのアプリに付与された権限に気を配りたいところです。

 

とくに注意したいのが「ネットワーク接続の変更(CHANGE_NETWORK_STATE)」という権限です。

 

この権限のあるアプリは、ユーザーがOFFにしてあるモバイルデータ通信をONにする事ができてしまいます。実際にそういう動作をするかは別として、バックグラウンド動作中に勝手にモバイルデータ通信をONにしてバックグラウンド通信し、その後またOFFに戻しておくというお行儀の悪い動作をする事が理論上可能です。

 

トグルスイッチのアプリなどには必要な権限なのですが、明らかにこの権限が不必要なアプリに付与されていた場合は使用を避けた方が精神衛生上好ましいです。

 

2台持ちは面倒なので着信転送を利用する

 

今回の3G化に先立って、私の使い方(外で動画は見ない、自宅に光回線があるのでアプリのDLや更新はWi-Fiで行う)においてMVNOでも支障がないかどうか確かめるため、先行して試験的にMVNOの利用をしておりました。

 

MVNOのデメリットはなんと言っても通信速度ですが、こればっかりは評価基準が人それぞれになり他人の評価がアテになりませんので自分で確かめるしかありません。

 

しばらく使ってみて、私には問題無さそうなことが確認できましたので、いわゆる2台持ち運用に踏み切ることにしました。しかし文字通り常に2台持ち歩くのはかさばりますし面倒です。

 

なのでMVNO回線に通話もプラスして、よく連絡を取る相手にのみ新しい番号を告知しました。

 

今回3G化したau回線の番号とメアドは長年使っているものでして、いまさら告知もなしに変更してしまうと二度と連絡が取れなくなってしまう方も多くなりますが、全員に告知するのは大変な労力です。

 

とはいえ大部分は年に一回とか、数年に一回電話があるかどうかという方達ですので、そういった方達からの着信を受ける為にauの着信転送サービスで新しい番号に転送するように設定しました。

 

ただし着信転送の場合、着信を受けた場合でも転送先までの通話料を自分が負担せねばならない為、常用するのに向きません。これはめったに電話してこない相手の為に設定した苦肉の策で、よく連絡を取る相手には新しい番号をちゃんと告知しないと高く付きます。

 

そもそも長年使ってきた番号を生かしたままMVNOを利用したいならMNPすればいい話なのですが、そこにキャリアメールを捨てられないという事情がからむと何とも面倒なものです。

 

EzwebメールをMVNO端末から送受信できるようにする

 

一方、捨てられない事情があるEzwebメールの方は、以前

こちらの記事を参考にGmailから送受信できるようにしてあり、既にどの端末からでも使えるようにしてありましたのでこのままGmailから利用します。

 

auのEzwebメールは無料で他のアドレス2つまで自動転送できますので、これでGmailに転送してMVNOの他スマホでプッシュ受信を利用しておられる方は多いですが、上の記事のやり方はsmtpユーザー名とパスワードを取得する事によって受信だけでなくEzwebメールの送信もGmail上でできてしまうのがアドバンテージです。

 

つまりGmailでメールを受信したらクリックひとつでそのままezweb.ne.jpアドレスから返信もできます。もちろんGmailだけでなく任意のメーラーでIMAP運用する事もできます。

 

これでau純正Eメールアプリも不要になります。このアプリはどのみちMVNOでは使えませんが…。ちなみに迷惑メールフィルターの設定などはauIDがあればPCからできます(ただしSMSによる2段階認証が必要)。

 

最近のiPhoneは当時と違ってEzwebメールの設定は手動でなくプロファイルのインストールという方式になりましたので、この方法が今現在も有効なのか分かりませんが、以前設定済みの私は3G化した今もGmail上からEzwebメールが送信できていますし成りすまし規制にも掛かっていません(たぶん)。

 

ちなみにこの記事の方法はiPhoneでしかできない事になっていますが当時はAndroidでもブラウザのUA偽装でイケました。

 

これで、今回3G化した長年使ってきた電話番号とメアド宛ての着信がMVNOで利用する新しい番号のスマホに集約できました。

 

長年使っていた番号宛てのSMSだけは、3G化したauのISW13Fでしか受信できませんので、完全に一台に統合というわけにはいきませんが、重要な用事なら電話を掛けてくるでしょうしたまにISW13Fをチェックしていれば個人的には問題ないと思っています。

 

料金はどうなったか

 

以上、今回行ったau回線の3G化によってプランEシンプル+IS NETで月1100円強、音声通話付きMVNOが月1600円強、合わせて約2800円+通話料になりました。ちなみに0simもまだ使ってますので計3回線契約していても普通に大手キャリアでLTE契約するより安いです。

 

普通に大手キャリア回線をMVNOへMNP使って移動させるよりは高いですが今回、私がやった施策の数少ないメリットとしては「新電話番号でMVNO利用の端末にて旧電話番号への着信が受けられ、かつEzwebメールも送受信できる」「メインの電話番号は安価に維持したままなのでサブのMVNO回線の乗換えが容易」「3G化したau回線の方もスマホなので電話帳の同期が容易」くらいですかね…。

 

ちなみに、今回の施策の為に「端末代」「auICカード変更手数料」「MVNO契約手数料」などで合わせて8000円くらい掛かってますので、3ヶ月くらい経たないと元は取れません。

 

私は、今回このブログ記事の冒頭で書いたように最新ハイスペック機種をキャリアの購入補助使って購入したいわけじゃないので、しばらくはこの体制でやっていこうと思います。

 

あとはauさんが何時まで3Gを続けてくれるかですね…。たぶん他の2社より撤退は早いと言われていますし私もそう思います。

 

2017年12月 追記

 

その後ですが、auの2年縛りが終わったのでドコモにMNPしました。DAZN for docomo目当てです。

 

その顛末もブログに書いてますのでよろしければお読みください。

 

2018年7月 追記

 

ついにauの3Gプランの新規受付が終了すると発表がありました。

 

「CDMA 1X WIN」サービスの新規受付終了について | 2018年 | KDDI株式会社

KDDIのニュースリリース「「CDMA 1X WIN」サービスの新規受付終了について」をご紹介します。